99話(あらすじ・感想など)記事

   

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表紙

 99話のあらすじ&感想記事です。

 別マガ2017年12月号掲載。単行本派の方はネタバレご容赦ください。

ざっくりと要約
  • タイバー劇場が始まる一方、エレンとライナー間の緊張した会話が続く

~続く~

ここでチェック!image一言感想

 エレンの大物感、ライナーの小物感が際立つ展開になってきました。そして、マーレ側タイバーは明確にエレンを敵として世界に周知させるという分かりやすい構図に持っていく方向へと進んでいます。

あらすじ

第99話 「疾しき影」

 パラディ潜入時代の3人の会話がライナーの頭に浮かぶ。

「ずっと同じ夢を見るんだ。開拓地で首をつったおじさんの夢だ。何で首をくくる前に僕たちにあんな話をしたんだろうって」

「そんなの・・・わかるわけないだろ」

「誰かに許してほしかったんでしょ。マルセルを置いて逃げた私たちに何か言えるわけないのにね」

「僕はなぜかこう思うんだ。あのおじさんは誰かに――裁いてほしかったんじゃないかな」


 睨み合うエレンとライナーの二人。ライナーを案内したファルコは二人から漂ってくる緊張感に少し動揺を見せる。

「・・・え~と・・・あれ?お二人は古い友人だと聞いたんですが・・・きっと驚くだろうって・・・ですよね?クルーガーさん」

「あぁ、ありがとうファルコ。引き合わせてくれて。お互い積もる話が多くてな・・・何から話せばいいかわからないんだ」

「・・・・・・ありえない」

「座れよライナー。ここは良い席だ。ここからでもステージの喧騒けんそうがよく聞こえる・・・ここの上の建物は普通の住居だ。ステージの裏側だが・・・多くの住民が幕が上がるのを楽しみにして窓から顔を覗かせている。ここのすぐ上でな」

 ライナーは悲壮な顔を浮かべている。エレンの言わんとしていることは理解している様子だが、ファルコは分かっていないようだ。

「あれ、クルーガーさん、手を怪我しているんですか?」

 エレンの右掌には切り傷が出来ている。つまり、いつでも変身できる。

「あぁ・・・擦り傷だ。ライナー、座れよ」

 これからお母さんにきつく叱られることが分かっている子供のような動きで、たどたどしく座るライナー。

「・・・では僕は先に戻ってますね」

「いいやファルコ。お前もここで話を聞くんだ」

 さすがのファルコもこの逼迫した状況に何かを感じたのであろうか、その場を去ろうとする。しかしエレンはそれを遮り、ファルコも「え?」と言葉を返す。

「ファルコ・・・言うとおりにするんだ・・・」

「・・・はい――」


「タイバー公、そろそろお時間です」

 劇場の楽屋裏といった場所だろうか。タイバー公は鏡台の前で大量の汗を流している。緊張しているのが誰の目から見ても明らかだ。

「あぁ・・・」

 一人の奥方が二人のSPと共に入ってくる。見た目は恐らく東洋系。

「あらまぁ」

「・・・これはこれはわざわざ激励に?ようこそアズマビト家の皆様」

「お邪魔だったからしらね。ごめんなさいね。少し顔を見に来ただけなの」

「無様な顔でしょう?すっかりアガってしまいました」

 タイバー公は顔の汗をハンカチで拭う。

「あなた方は勇敢です。我々の一族はよく知ってますもの。無事にお役目を果たすことを祈っていますよ」

「痛み入ります。キヨミ様」

 二人は固く握手した。


「さて・・・行きましょうか――」

 キヨミと呼ばれた人はタイバー劇場を見もせずに、SPと共にその場を去っていった――。


 一方、劇場のベンチの特等席にはある人物が招待されていた。

「あら・・・お久しぶりです。いらしていたのですねレオンハートさん」

「ブラウンさん、あんたの息子を出迎えた時以来か・・・いただいた名誉をあんまり無碍にしちまうのも恐れ多い」

「えぇ・・・せっかく席を設けていただいたのですもの。身に余る名誉です」

「・・・そういや寝たきりだったフーバーさん、逝っちまったんだって・・・?」

「えぇ・・・最後までマーレの手厚い支援を受けて安らかに。息子がすべてをマーレに捧げたことが誇りだといつもおっしゃっていました・・・きっと娘さんもご立派に・・・」

「・・・死んでねぇよ。アニは生きてる。帰ってくると約束したんだ――」


「まさか・・・この薄汚い収容区で宣戦布告を行うとは。それも吹きっさらしの端の席だ・・・警備はどうなっている?」

「現場はマガトが指揮しています――」

 とある軍の幹部らの会話。


「すごい・・・カルヴィ元帥まで来てるよ」

「海・陸のトップもだ」

「マーレ軍の中枢が収容区に揃うなんて・・・」

「それに各国の大使やタイバー家と親交の深い名家の数々、あとは全世界の主要な新聞社が全部ってところか」

「世界の中心にいる気分だね」

「すごいですねタイバー家の力って」

「同じエルディア人なのにな・・・」

 音楽隊の演奏が始まる。あまりの音圧に戦士候補も耳をふさぐ。

「わっ!!」

「始まった」

「ファルコとブラウンさんはまだかな?」

「もう!何やってんだろう」

 とある兵士が劇場の席に座る戦士たちに声をかける。その姿は深々とヘルメットを被っており、髭を生やす男。

「マーレの戦士よ。マガト隊長がお呼びだ――」


 小窓から聞こえてくる喧騒は劇場が間もなく始まることを意味しているのだろうか。

「もう始まりそうですね」

「・・・エレン、どうやってここに来た?」

 緊張した空気の中、最初に口を開いたのはライナーだった。

「お前が最初に聞きたいことはそんなことか?」

「・・・何しにここに来た」

「お前と同じだよ」

 ライナーは息を乱す。

「な・・・な・・・」

「【何で?】ってか?わからないか?お前と同じだよ。【仕方なかった】ってやつだ」

「・・・俺は」

「おっと幕が上がったようだ。聞こうぜ」

 すぐそばにあるステージの上ではタイバー公が観衆の前に丁寧に礼をする。

「昔話をしましょう。今から約100年前、エルディア帝国は巨人の力で世界を支配していました」

「始祖ユミルの出現から今日に至るまでに一体どれほどの命が巨人に奪われたことでしょう」

「最新の研究によっては現生の人類が三度絶滅しても足りないほどの人の数とされています」

「巨人によって途方もない数の民族や文化・・・その歴史が奪われてきたのです」

「その殺戮こそが人類史であり、エルディア帝国の歩んだ歴史でした」

「そして敵のいなくなったエルディア帝国は同族同士で殺しあうようになりました」

「巨人大戦の始まりです。8つの巨人を持つ家が結託や裏切りを絶えず繰り返し、血を流し合ったのです」

「この状況に勝機を見出したマーレ人がいました。彼こそが英雄ヘーロス」

「彼の巧みな情報操作により、エルディア帝国は次々と同士討ちに倒れてゆきました」

「そして彼はタイバー家と手を組み、勝つことは不可能とされたフリッツ王さえも島に退かせることに成功したのです」

 拍手喝采が起こる。

「しかしパラディ島に退いた王はいまだ力を持ったまま」

「世界を踏み潰せるだけの力を持つ幾千万もの巨人があの島に控えています」

「今現在、我々の世界がまだ踏み潰されずに存在しているのは偶然である

「巨人学会はそうとしか説明できません」

「我が祖国マーレはその脅威を排除すべく4体の巨人を島に送り込みましたが」

「返り討ちに終わり、戻ってこられたのは鎧の巨人のみ」

「この4年間で島に送り続けた調査船は32隻」

「そのすべてが消息をたっています」

「つまり・・・暗黒の人類史たるエルディア帝国はいまだ健在なのです」


「聞いたかライナー。あれが壁を破壊した理由だろ?お前たちは世界を救おうとした。そうなんだろ?何も知らねぇ子供が4人・・・あの島に放り出された・・・まだ何も・・・知らなかった」

 一方、劇場の警備――

「何か異常は?今のところ報告は何も」

「どんな些細なことでもいい。すべて知らせるように伝えろ――」


「――イェーガーはそのまま正門に行け」

「・・・はーい」

「二人はこっちだ」

 ガリアードことポッコと車力ことピークは兵に案内されるがままついていく。

「あなたをどこかで見たことがある気がする。どこの所属?」

「ずっと西のラクア基地だが今だけ召集を受け、軽微に参加している。そしてエルディア人のムダ話に付き合う気はない」

「それは残念・・・素敵なあごひげだと思ったのに・・・」

「あ!」

「ピークさん!」

「パンツァー隊!こんな日までお勤めご苦労」

「っ!?」

 ピークに抱擁されて動揺するパンツァー隊の一人。

「何をしている。行くぞ!」

「いや~車力の巨人と運命を共にする彼らとは絆が大事でね」

「今その絆に亀裂が入ってないか?」

 抱擁された隊の一人に他の4人が睨みをきかしている。


 人気がいないところまで兵に案内される二人。とある民家に入る。

「ここだ」

「マガト隊長はどこに?」

「ポルコ!!」

 最初に反応したのはピーク。兵は縄を切ると、床が開く。二人はそのまま開いた床の大穴に落ちていった――。


(何なんだ・・・これは?何でブラウン副長があんなに怯えて・・・クルーガーさんは何者なんだ?古い友人じゃないのか?・・・!古い?古い・・・って何年前の・・・4年以前なら副長と知り合ったのはパラディ島の5年間・・・いやそんなわけが・・・だってそんなこと・・・まさか――)

 さすがの鈍感のファルコも気づく。


「――では本日の本題に入りましょう。ここまで語った話は誰もが知る真実」

「ですが事実とは少々異なります」

「これは我々タイバー家が戦槌の巨人と共に受け継いできた記憶」

「その事実を今回公の場で初めて公表させていただきます」

「それは約100年前・・・巨人大戦の顛末についてです」

「巨人大戦を終わらせたのはヘーロスでもタイバー家でもありませんでした」

「巨人大戦を終結させ世界を救ったのはフリッツ王なのです」

「正しくはカール・フリッツ145世」

「彼は始祖の巨人を継承する以前からエルディア帝国の残虐な歴史を嘆き」

「同族同士のみにくい争いに疲れ果て」

「何より虐げられ続けたマーレに心を痛めておられたのです」

「彼は始祖の巨人を継承すると同時にタイバー家と結託し」

「エルディア帝国の歴史に自ら終止符を打つべくその身を捧げました。」

「フリッツ王はタイバー家と画策しマーレ人を英雄と称し活躍させました」

「彼こそがヘーロス」

「我々の計画通りエルディアが同士討ちに倒れると」

「自らと・・・出来る限りのエルディア国民を島に移し・・・壁の門を閉ざしました」

「その際安息を脅かせば幾千の巨人で報復すると言い残しましたが、これは真意ではありません」

「カール・フリッツは自らの思想を自分の死後の継承者に引き継がせるために【不戦の契り】を作りました」

「すべての巨人を操る絶対的な力【始祖の巨人】を行使できるのは王家の血筋のみ」

「【不戦の契り】はその王家の血筋の継承者にのみ効力を発揮します」

「これによりカール・フリッツの思想は次世代の壁の王に受け継がれ、今日まで島から巨人が攻めてくることはなかったのです」

「つまり世界を守っていたのは忌むべき壁の王であるカール・フリッツの平和を願う心なのです」

「そう・・・彼の目的は平和です」

「そして虐げられ続けたマーレの解放。後にマーレが力をつけ、王家の命か始祖の巨人を奪おうとするなら、それを受け入れる」

「もしマーレがエルディア人の殲滅を願うのであればそれを受け入れる」

「それほどまでにエルディア人の犯した罪は重く、決して罪を償うことはできない」

「そもそもエルディア人・・・巨人は存在してはいけなかった」

「我々は間違いを正すことを受け入れる」

「ただしいずれ報復を受けるまでの間、壁の中の世界に争いのない束の間の楽園を享受したい」

「どうかそれだけは許してほしい」

「王は最後にそう言い残しました」

 観衆がざわめく。ガビも「え・・・?」と声に出す。

「どういうことだ?」

「これが事実なら・・・マーレやタイバー家が世界を救ったって大儀は全てフリッツ王のお膳立てだったってことだぞ・・・なぜそんな話を今になってタイバー家が自ら明るみに・・・?」

「本当に壁の王が世界を侵略することは無いと言うのなら・・・今まで信じられてたパラディ島脅威論とは何だったのか・・・?」

「――しかし、近年パラディ島内で反乱が起きフリッツ王の平和思想は淘汰されました」

「始祖の巨人があるものによって奪われたのです」

「世界に再び危機が迫っています。フリッツ王の平和な世界にはむかう者が現れたのです」

「平和への反逆者・・・その名はエレン・イェーガー」

続く

考察・感想編は別記事として出してます。解説や感想、予想などにご興味がある方、更なる分析をご希望の方はぜひそちらもお越しください。

↓

こちら: 99話 分析【考察・解説】編外部

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進撃の巨人の関連情報は随時紹介します。乞うご期待!

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コメント一覧

    • 1. 進撃の名無しさん
    • 2017年11月10日 23:54
    • いつもお疲れ様です。
      今回99話のはずですが、第98話「よかったな」になってますよ。
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