97話の考察・解説編、感想パートです。本編を読んだ方や「97話ネタバレ記事」を読んだ方向けの記事となります。まだ本編をお読みでない方はネタバレに注意してください。
※97話・・・2017/9/8発売の別マガ10月号掲載
先にこちらの記事を読むことを推奨します。
気になった部分の感想や解説、捕捉などをしていきます。最新話考察はここで浅く広くご紹介しています。単独で別記事で出す場合も。
明かしパートということで考察するポイントはあまりないので感想がメインです。

精神的に問題を抱えるライナーですが、ついに銃口を口の中に入れて、引き金を引く直前までに行きました。しかし、ファルコや戦士候補生の存在が彼を抑制しました。
彼は今どういう考えなのでしょうか。自責の念に縛られているのでしょうか。悩むに悩んでいる様子が伺える状態です。
巨人を一匹残らず駆逐するんだろ?お前ならやれる
という回想上のライナーの台詞直後が自殺寸前シーンというギャップ。何となく死にたくなる気持ち、悩んでいる気持ちは理解できるのですが、それが具体的にどういう悩みなのかというのを文章化するのが難しいところ。

悩むファルコですが、クルーガーの声に共感したのか、彼に不思議な感情を抱きます。数奇な運命なのか、ファルコは彼とライナーの関係のことはまだ知りません。
ファルコが戦士になれそうになくて「そうか、それは良かった」というクルーガーの感想を不思議に感じるファルコ少年。それもそのはず。通常なら「戦士になれなくて残念」という風潮が一般的ですので、その返答は不思議に思うのでしょう。
また、この台詞には二重の意味がありそうです。「戦士になって巨人の短命の呪いにかからなくて良かった(もしくは戦場で命を落とさなくてよかった)」という意味と「敵になったら殺すことになるからそうならなくて良かった」という意味です。

エレンが自分を語るとき、ファルコからは一見すると傷痍軍人として物を語ってるように見えます。一方、読者視点では始祖の巨人の力を引き継いだパラディ島の人間の立場としても語っているように見受けられます。例えば、以下の台詞。
「心も体も蝕まれ、徹底的に自由は奪われ、自分自身をも失う。こんなことになるなんて知っていれば、誰も戦場になんか行かないだろう」
傷痍軍人というよりもエレン本人としての声なのでしょう。ファルコは彼の話を聞いて、うきうきとするわけですが、エレンの声に一体何を感じたのでしょうか。進むべき指針か、それとも。

エレンはファルコを利用して、手紙を送らせます。利用というほど大層なものではないとも思われますが。この手紙が謀略の尖兵となるのか、それとも。個人的にはライナー宛、もしくは故先々代進撃の巨人継承者エレン・クルーガーの関係者・家族間かなと思いますが、調査兵団の仲間に宛てた手紙なのかもしれません。

私兵まで有するタイバー公。一体この一族は何者なのか。近衛兵の実力や正体も気になるところです。現時点ではっきりしているのはマーレの中でも彼らは異質な存在ということでしょうか。エルディア系の一族なのに、マーレよりも上に君臨している様子が会話で伺えます。少なくともマガトはそう認識しています。
タイバー家では誰が「戦槌」を引き継いでいるかというのは秘密事項ということで、マーレの一部の上層部しかその正体は知らされていないようです。しかし、その会話で正体は恐らくヴィリーだろうということが伺えます。
「見てきたかのように仰いますな」
「見てきたよ。戦槌の巨人と共に記憶を紡いできた。それがタイバー家の務めだ」
確定に至るほどではありませんが、ヴィリーのこの台詞から、彼が戦槌の巨人の現継承者であるように思えます。マガトはこの質問で引っ掛けたのでしょうか。だとすれば相当の切れ者。

マーレ軍本部の庭にある英雄ヘーロスの像。この像は100年前、人間でありながら大地の悪魔(巨人?)を打ち破り、世界を救ったマーレの誇る英雄とされています。なお、会話から察するに虚像や創作ではないのでしょう。当時は立体機動はありませんし、そもそもマーレの技術に立体機動が皆無です。ではどうやって倒したのでしょうか。
まだまだ憶測の域ですが、巨人科学の副産物アッカーマンとの関連が疑われます。余談ですがこのヘーロスことHeroes(ヒーローの複数形)を見て連想するのは第一にリヴァイ、続いて立体機動を使いこなすパラディ島の人間たちです。

この記事では最初に掲載しておくべき内容だったと思いますが、今更の説明ですがエレンらしき人物がファルコと接触しています。十中八九エレンでしょう。もしかしたら違うかもしれませんが・・・。
総評・次回の予想
このときを待っていた!ついにエレンらしき人物登場ということで、どうやらマーレに潜入しているようです。ライナーもエレンもあれから考え方が変遷しており、お互いどういう思想に行き着いているのか、そして互いに妥協点が見えているのか否か、という点に注目したいところです。今更ですが、互いに手を取り合う未来があるのかもしれませんし、最後まで敵対を貫くのかもしれません。
ということでいつもの次回予想。
次回、エレン、ライナーに手紙を送って互いに接触する!?対話の道はあるのか!?
ということで――それではまた次回にお会いしましょう。さようなら。