97話(あらすじ・感想など)記事

   

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表紙

 97話のあらすじ&感想記事です。

 別マガ2017年10月号掲載。単行本派の方はネタバレご容赦ください。

ざっくりと要約
  • ライナーの回想のそのまた続き
  • トロスト区の戦いの直前の回想だったり、アニとケニーが邂逅してたエピソードが描かれる
  • エレンらしきクルーガーと名乗る人物が戦争負傷者に紛れ込んでファルコに接触

~続く~

ここでチェック!image一言感想

 ついにエレンらしき真打登場!?今回は回想編に区切りがつき、現在に戻ります。ライナーは自分の口の中に銃口を入れて自殺を悩むほど、苦慮している様子が描かれています。過去にもエレンが悩むに悩むという描写がありましたが、それと相対的と言えます。

あらすじ

第97話 「手から手へ」

 路地裏で何者かを追跡するアニ。彼女は麦わら帽子に眼鏡をかけるなどの変装していて一見誰か分からない。

(あの黒いコートの男。他の王政の幹部とは何か違う気がする。彼がどこに向かうのか調べれば・・・王まで辿りつけるかも)

 角を曲がると男が視界から消えている。何が起きたのか「え・・・」と声が出るアニ。何者かの手がアニの肩に手をかける。背後に男はいた。

「よう嬢ちゃん、こんなじじいをつけまわすとは・・・中々男を見る目があるようだな」

 リヴァイの伯父ケニーという男。

「・・・私は旅籠で生まれた・・・そこで働く母から一度しか会ったことのない父親の話を聞かされて育ったから、私には一目でわかって・・・今日やっと会えた」

 それはあまりに下手な言い訳だった。逃げる方法を考える時間稼ぎをしているのであろうか。

「そりゃ感動的だな。パパにハグしてほしけりゃまず両手を上げろ」

「絶対にないと言い切れるの?」

「絶対にねぇな。そいつは俺が一番笑えねぇ類の冗談だ」

「ひどいよパパ・・・」

 回し蹴りをケニーにかます。あまりに鋭い蹴りにケニーも避けるのに手一杯で、走り出したアニに少し距離をとられる。

「おいおい。もうパパが嫌いになる時期か!?」

 少女一人が入るのがやっとな狭さの排水溝に逃げ込まれる。

「ちっ・・・いいよ・・・お父さんを蹴り殺そうとする娘とかいらねぇよ」

 追跡を諦めるケニー。対して、下水であまりの異臭に吐き気を催すアニ。


 兵士の宿舎でベルトルトが足を壁に立てて寝ている。寝相の悪さに仲間たちも冗談をかましあう。

「起きろベルトルト」


 食堂で朝食をとる104期たち。その中でもエレンが不機嫌である。

「今日はいつにも増して殺気立ってるな エレン」

「昨日の訓練を引きずってんだよ。ありゃ無様だった・・・勝手にワイヤーに絡まってしにかけたんだからよ」

「・・・巨人からケツまいて逃げる訓練してる奴のほうが無様だ。腰抜け馬面逃げ野朗」

「・・・あぁお前は勇敢にも巨人に突撃しワイヤーに絡まって死ぬ。そして巨人に爆笑される。それがお前の人生だ」

 殴り合いになる寸前、ライナーが止めに入る。

「だからやめろってんだよ毎回毎回!!」

「お前ら朝からうるせぇよ!!」

 フロックもこのやり取りにげんなりする。

 ライナーは二人の仲を仲裁しながら、アニの表情を見遣ると明らかに不機嫌で疲れた表情を浮かべている。何かあったなと悟るライナー。

 その夜、三人は集まる。

「あんたたちが友達と遊び疲れてぐっすり眠る頃、私は王都のドブの中を這い回った。黒いコートの男は他の連中と違う。実力者だ。危うく捕まりかけた・・・顔を見られたかもしれない。中央憲兵に入ったところであいつがいたんじゃ・・・もう限界だ」

「限界か・・・」

「私たちが今まで集めた壁の情報を持ってマーレに帰ろう。あれからもう五年が経とうとしている・・・どんな情報でも歓迎してくれるよ」

「・・・本当にそう思っているか?この五年の成果を持ち帰れば・・・マーレは失望するだろう・・・」

「・・・じゃあ何?他にどうしろっての?」

「ウォール・ローゼを破壊する。不戦の契りがあるにしろないにしろ、始祖の巨人をあぶりだす手段はもう他に無いだろう。俺たち訓練兵のトロスト区滞在期間中に調査兵団が壁外調査で出払う日だ。壁中は混乱を極め、俺たち訓練兵も現場に借りだされる。そこで俺たちが姿を消し、死体が見つからなくても誰も生きてるなんて思わない。その後、王都になだれ込む大勢の難民に紛れ込んでもいい。状況次第じゃ兵士を続けてもいいし、10番以内になりそうなら訓練兵の卒業を待って、内地の憲兵になってもいい。要は壁の王の動きに合わせて動きやすい位置につくんだ」

「・・・あんたらの友達は大勢死ぬね。全員死ぬかも」

「・・・何度も言ってるだろ。奴らは友達じゃない。俺たちとは違うエルディアの悪魔だ。だが信頼を得るのは損じゃない。むしろ孤立するお前の態度のほうがあからさまで――」

「――吐きそう。それ以上顔を近づけないでくれる?」

「・・・疲れたろ。いつもお前にばかり負担をかけてすまないと思っている。今日はもうこの辺にしておこう」

 ここでずっと黙っていたベルトルトが口を開く。

「・・・ずっと同じ夢を見るんだ。開拓地で首をつったおじさんの夢だ。何で首をくくる前、僕たちにあんな話をしたんだろうって・・・」


 とある立体機動訓練。エレンが失敗して勢いよく転がり落ちる

「エレン!少し休めよ・・・死んじまうぞ」

「はぁはぁクソ・・・ライナー、どうやったら・・・そうなれる。お前や・・・ミカサみたいになるには・・・どうやったら・・・このままじゃ・・・ジャンの言う通りだ。俺は何にも果たせねぇまま・・・終わっちまう」

 ライナーはかつての自分をエレンに重ねる。

「ただ・・・やるべきことをやる」

 ライナーはライフルに銃弾をこめる。

 (決行日は解散式の翌日・・・やるぞ)

「ただ進み続ける。それしかねぇだろ」

(エレン・・・まさかお前が・・・おい・・・なんで・・・マルコが・・・食われてる・・・)

(俺たちは戦士だと自ら証明するんだ。今夜やる。捕獲された二体の巨人を調べられる前に俺とアニで始末する)

 今までの過去の出来事が走馬灯のように蘇る。

「あぁ・・・そうだよな」

(俺たちはがきで何一つ知らなかったんだよ)

「進み続けるしかねぇよな」

(じゃあな。頼んだぞ相棒)

(任せろ)

「巨人を引き残らず駆逐するんだろ?お前ならやれる」

 ――様々な過去の思い出がよぎり、そして時は現在に戻る。

 ライナーは密室で自分の口の中にライフルの銃口を入れ、引き金に親指をかけている。

 ドンと壁を叩く音。密室の外でファルコが偶然にも壁を叩いた音だった。

「くそ・・・このままじゃダメだ・・・」

 そして、ライナーはふと我に返る。銃口を下ろし、鉄柵付きの窓からとぼとぼ歩くファルコの後ろ姿を見る。

「・・・そうだ。俺にはまだ・・・あいつらが・・・」


「――このままじゃダメだ・・・ガビが鎧を継ぐ・・・俺がこのままじゃ・・・」

 ファルコが悩み歩く中、辿りついたのは病院。なんとなくそこに足を踏み入れると、傷痍軍人たちが病院の庭で見られる。

「おーい。この間は世話になったな」

 ファルコに声をかけるのは左腕・左足を失った傷痍軍人。ベンチに座って、外の空気を味わっているのだろうか。

「――えっと経過は順調みたいですね・・・会話できるくらい回復して・・・」

「まぁな。ここに心的外傷の治療に来てるが・・・俺のは嘘だ」

「・・・え?」

「記憶障がいで家まで帰れないってことにしてるが、本当は家に帰りたくないだけだ。今は家族と顔を合わせづらくてな。病院の人に言うか?」

「いえ・・・そんなことはしませんよ」

「怪我しているな。マーレの戦士になるための訓練か・・・」

「えぇ・・・でも・・・俺は戦士になれません」

「どうして?」

「同じ候補生に優秀な奴がいて・・・俺の出番はなさそうです」

「そうか。それはよかった」

「え?」

「君はいい奴だから長生きしてくれるなら嬉しいよ」

「・・・でも俺はそいつを戦士にさせたくなくて・・・」

「・・・それはどうして?その優秀な候補生は・・・女の子か?」

「・・・このレベリオじゃ有名な奴ですよ。既に戦争で活躍したくらいで誰だって次の鎧はあいつがいいって言うはず・・・」

「でも俺は力がないから、俺は何もにもできないまま終わるんだ」

「俺はこの施設に来て毎日思う・・・なんでこんなことになったんだろうって・・・心も体も蝕まれ、徹底的に自由は奪われ、自分自身をも失う。こんなことになるなんて知っていれば誰も戦場になんか行かないだろう。でも・・・みんな『何か』に背中を押されて、地獄に足を突っ込むんだ。大抵その『何か』は自分の意志じゃない。他人や環境に強制されて仕方なくだ。ただし自分で自分の背中を押した奴の見る地獄は別だ。その地獄の先にある何かを見ている。それは希望かもしれないし、さらなる地獄かもしれない。それは分からない。進み続けた者にしか・・・わからない」

 その軍人の目は力が篭っていた。


「――ファルコ・・・こんな時間にどこに行く?」

「・・・忘れ物をしたんでこれから本部に戻るところです。失礼します」

 ファルコが明るい表情を浮かべて、息を切らしながらはきはきとライナーに挨拶して走り出す。その姿を見てライナーも少し不思議に思うのであった。


 本部。軍人たちが騒いでいる。

「おい、何の騒ぎだ」

「タイバー家ご一行が来訪されました!!」

「・・・!?何だと・・・」


 応接間らしき部屋の前には見慣れぬ兵士がずらっと並ぶ。

「マーレ軍ではありません。タイバー家に属する近衛兵です」

 そばにいる軍人がマガトにそう告げる。

 ノックをすると、背の高い近衛兵がドアを開く。

「どうぞ」

 長髪の気品がありそうな男性が迎える。

「急にすまないな。私がタイバー家当主ヴィリーだ

 ヴィリーはマガトに手を差し出す。

「戦士隊隊長テオ・マガトです」

「よろしく。マガト隊長」

「お初にお目にかかり光栄です。タイバー公」

 横にはタイバー家の子供たちが泣き叫ぶ。

「そしてわがタイバー家一族を紹介させていただこう」

 老人、老女、子供4人、召使風の女性二人、子供を抑える若い女性と混沌としている。


「――結成当初より戦士隊を束ねるあなたなら、一族の誰が『戦槌の巨人』か見抜けましたかな?」

「・・・いいえ、見当もつきません。本当にここレベリオにお越しになっているのかさえも」

「はは・・・話に聞いた通り思慮深い。我々はほとんど姿を見せない。戦槌の正体を明かしているのは上層部でも一部の者だけだからな」

「その一部に含まれるであろう本部の主人は上からの命令で今朝方飛び出していきました。とても珍しいことです。なので今、私が主人の代わりにあなたと話している。これは貴方のご一行が突然お越しになった理由と無関係なのでしょうか?」

「ここに来た理由はヘーロスの像を見に来たんだ。100年前、人間でありながら大地に悪魔を打ち破り、世界を救ったマーレの誇る英雄ヘーロスの雄姿を。見事だった。勇ましく美しく傷一つない。まさにマーレの魂そのものだ」

「えぇ・・・まさしく。銅像の中は空洞ですし」

「隊長殿は手厳しいな。噂ではマーレ人の徴兵制復活を働きかけているとか・・・」

「・・・マーレ人の戦争とは新聞の活字にのみ存在します。字を読むだけで領土が広がるのだから楽でいい。鉄砲玉を浴びるのが手なずけた悪魔の末裔ならなおのこといい。実際マーレ人に弾が耳の横をかすめる音を聞かせたところで、マーレは自壊するまで戦争への歩みを止めないでしょうが・・・もしマーレを裏から操る者がいるなら言ってやりたい。とうに手遅れだと」

「本当に容赦がないな・・・隊長。立つ瀬がない。お察しのとおり、マーレという国はタイバー家の権限下にある。だがマーレが軍国主義の道を歩んだのはあくまでマーレが選んだことだ。我々はマーレへの贖罪として自由と力を与えた・・・我々の先代がな」

「見てきたかのように仰いますな」

「見てきたよ。『戦槌の巨人』と共に記憶を紡いできた。それがタイバー家の務めだ。我々はただ見ていた。エルディア人を檻に入れ、マーレに好き放題やらせるのを・・・その結果・・・エルディアもマーレも闇夜に投げ出された。その責任はタイバー家にある。巨人の力は時代に遅れをとり、パラディ島からは不穏な動きがある。我々は来る『祭事』において、世界に全てを明かすつもりだ。そこに全ての望みをかける。英雄像を見に来たのは嘘ではない。マーレには再びヘーロスが必要なのだ。テオ・マガト・・・今一度この手を握ってくれまいか?」


(ファルコ、頼みたいことがあるんだが・・・)

(何ですか?クルーガーさん)

(手紙を送りたいんだが・・・この収容区からじゃ中身を確認されるだろ?)

(そうですね・・・)

(それだと俺が仮病だってばれちゃうから収容区の外のポストに投函してほしいんだ)

(わかりました・・・家族宛ですか?)

(あぁ・・・俺がここに無事にいるって家族に伝えたいだけなんだ)

 ファルコは手紙を収容区の外のポストから投函する。

続く

考察・感想編は別記事として出してます。解説や感想、予想などにご興味がある方、更なる分析をご希望の方はぜひそちらもお越しください。

↓

こちら: 97話 分析【考察・解説】編外部

気になった一問一答

Q.エレン、ミカサ、アルミンはシガンシナにいた頃、学校に通っていましたか?

A.寺子屋的なものに通っていました。識字率は結構高めです

 そういえばエルヴィンは学校に通ってましたし、スピンオフのビジュアルノベルでは確か大学が存在してましたね。


進撃の巨人の関連情報は随時紹介します。乞うご期待!

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