進撃の巨人には3つの壁が存在しています。その壁の名前は内側から、ウォール・シーナ、ウォール・ローゼ、ウォール・マリアと名付けられているのは周知の事実ですね。
それと関連して『第四の壁(だいしのかべ)』の存在が疑われることがあります。壁外にも発見されていない大きな壁があるのではないか、という説です。

進撃の巨人の世界において、壁外により大きな円を描く未発見の壁があるのではないかという説。
※図は850年を想定。 ・・・人類領域。 ・・・巨人領域。
関連して、ライナーたちの故郷は四つ目の壁を越えた先にあるのではないかという派生考察も見られます。この説は過去のウォール・タニタキャンペーンによって絶望的と見られています。そういうこともあってか、最近は話題にならなくなりました。これらの説と近いものとしては結構古い作品ですが、『映画ヴィレッジ説』などもありますね。
今回の記事で説明するのはこちらの意味ではありません。『第四の壁』という言葉には、進撃の巨人とは関係なくもう一つの意味があります。今回はその解説をしてみます。

第四の壁(だいしのかべ、だいよんのかべ、fourth wall)とは物語(フィクション)と現実を隔てる境界のことです。
元は19世紀に発生した演劇用語だったみたいですが、現在ではテレビや映画、ドラマ、ギャグ、バラエティなどの分野にも使用されることが多い概念です。物理的な本物の壁というわけではありません。
役(キャラクター)が観客・視聴者・制作者・裏方などに対して意識した発言をしたり、絡んだりなどのメタフィクションが行われることを「第四の壁をこえる」、「第四の壁を破る」などといった感じで言われます。昨今のギャグアニメからマンガ、ニュース番組、バラエティなどの数多くのジャンルに見られる手法です。リングの貞子とかは普通に第四の壁を越えてますね。
これらを題材とした洋画では「ラスト・アクション・ヒーロー」「ネバーエンディングストーリー」などが有名でしょうか。
前者は、ある子供が不思議なチケットのおかげで映し出されている映画のスクリーンに飛び込んで、その映画の中で活躍するというもの。後者も子供が不思議な本を読んで、本の中の世界を冒険するというもの。

進撃の巨人において、上記のようなフィクションと現実の狭間、第四の壁が存在するのではないかという説があります。この場合、物理的な壁という意味ではありません。
・・・物語・創作・舞台・フィクションの世界。このエリアを出たら現実に。
進撃の世界はどこかの舞台世界であり、現実ではないという説。これは見方が違うだけで仮想空間説と少し近い部分があるかもしれませんね。ライナーやベルトルト、アニの故郷は現実の世界だった!?という感じです。また、これらと関連して『二千年後の君へ』についての説明・考察も時折見られます。
▲『フィクションの人間だから滅ぼすの余裕』と甘く見ていたけど、罪悪感に耐え切れなかったのかも・・・
ライナーたちは第四の壁を破って訪れた存在なのでしょうか。